2012年に発表された WORLD HAPPINESS REPORT、 世界幸福度レポートのランキングでは、北欧の4か国、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンが10位以内に入っています。
http://documents.latimes.com/world-happiness-report/
According to polls taken from 2005 to 2011, these were the happiest countries:
- Denmark
- Finland
- Norway
- Netherlands
- Canada
- Switzerland
- Sweden
- New Zealand
- Australia
- Ireland
世界一幸福な国デンマークの暮らし方(千葉忠夫著)の本によると、以下のような要因がデンマークを世界一幸せな国にしているという。 いずれにしろ、今の日本が学ぶことは多々あるように思う。
・「あなたは幸せですか?今の生活に満足していますか?」と質問して、「幸せです」と答えた人の数を調べた「幸福度ランキング」において、約100カ国の中で、デンマークは世界一位。さらに、デンマーク人の約80%が「この国に生まれて良かった」と言っている
・デンマークの哲学者キルケゴールは、「単独者の主体性こそ真理」と説く、個人主義、実存主義を唱えた。キルケゴールの思想もデンマークが社会福祉国家になった一つの要因
・デンマークは、政治における腐敗が世界一少ない国として有名。その政治運営は非常に透明であり、何が行われているか、政治の中が見えるように、国民は常に留意してきた
・デンマークは女性の社会進出率が高く、80%近い女性が働いているので、男性と同じくらい税金を払っている。女性の就業率の低い国と比較すると、国家収入が大きく増える
・女性が社会進出すると、家庭で子供や障害のある人、高齢者の世話をする人がいなくなるので、保育園、幼稚園、障害者施設、高齢者施設を整備しなくてはならない。それらの施設で働く主体は女性だから、女性の職場が増えてくるという好循環が生まれる
・デンマークの農業は自給率が300%。食べ物があるというのは、非常に安心で、経済が安定する
・デンマークでは、国民が納めた税金の用途が、国税局から公表される。国家予算の75%は教育、文化、医療保険、福祉に使われている
・富(収入)の再分配をメインにしてきたソ連、東欧は崩壊した。それらの諸国との違いは、デンマークは社会福祉国家だけれども、社会主義国ではないこと。デンマークは資本主義国であり、完全に西欧圏であること
・ソ連や東欧は、政治家の贈収賄などの腐敗が横行していたが、デンマークは世界一贈収賄が少ない国。クリーンで、人をだまさないというのは、教育のなせるワザ
・デンマークは、他国から「高福祉高負担」と言われるが、デンマーク人は「負担」と思っていない。なぜなら、いろいろな形で国民全員に還元されているから
・正確には「高福祉高負担」ではなく、「高福祉高税」。85%のデンマーク人は、今の税率、今の福祉サービスで満足している
・道州制を導入し、地方分権すれば住みよくなる(住民に一番近いところで政治、福祉が行われる)。九州と同じ大きさのデンマークも、14あった県を5つの自治区に改革した
・デンマークの投票率は高く、国会議員の場合は約90%、地方議員や知事、市長の選挙においても75%を切ることはない。自分たちがどのような生活を望むかを、自分たちが決めていることが、この投票率に如実に表れている
・日本の高校や大学では、スポーツに長けた生徒の優先入学があるが、デンマーク人には理解できない。なぜなら、高校や大学は学問をするところで、スポーツは「学校外」のスポーツクラブで磨きをかけるから
・職業別専門学校には、すべての職業についての専門科目(自動車整備工、美容師、店員など)があり、それらの専門知識や技能を3年間で学ぶことができる。デンマークの専門学校の特徴は、実習がカリキュラム時間数の半分以上を占めていること
・デンマークの教師の初任平均年齢は27~28歳。きちんと大人になった教師が子供を教育している
・デンマークでは、在宅介護が進んでいる。大きな施設をつくるより、在宅介護のほうが経費が安いうえ、高齢者も今までの生活を続けることができる
・自分がいつ社会的弱者になっても困らない社会をつくる、社会的弱者になったときのことを考えられる人間にならなくてはいけない。幸せな国に住む国民は、継続的に幸せな生活を送れるように、常に自分で選択し、思いやりをもって目の前の社会に向き合っている